2026/10/20 14:09


息子と小太り

現場監督と小人達


これは、私が2年前に乳がんになったときの話。

今でも思い出すと、不思議で、不思議で、最後には笑ってしまう。

でも、私にとっては、決して笑い話だけではない。

「生かされたな」

そう思った、忘れられない出来事。


1.左胸を全摘すると言われた日


2年前、私は乳がんと診断された。

癌が1ヶ所。 そして、その周りにも怪しい箇所が2ヶ所。

腫瘍自体は小さかった。

でも、3ヶ所をそれぞれ部分摘出して、皮膚を引っ張って縫い合わせるには限界がある。

そう説明され、左胸を全摘することになった。

もうね、ショックなんて言葉では表せなかった。

自分が誰なのかもわからなくなるような感覚。

これから自分の身体がどうなるのか。 何を受け入れなければいけないのか。

頭も心も、まったく追いつかなかった。

そんな手術の約1ヶ月前。

息子が私に言った。

「ママ!大丈夫だよ😊 ママは左の胸なくならないよ!」

私は、ありがとう、優しいねと思った。

でも、気になった。

「なんで?」

すると息子は、こう答えた。

「だって、ママが寝ているときに、小さな小人たちがたくさん来て、ママの身体に入って左の胸のところで工事してるから!」

…………はい?🤣


2.毎晩やって来る小人たち


息子の話によると、小人たちは手術の約1ヶ月前から毎晩やって来ていたらしい。

私が寝たあとに現れて、息子にこう言っていたという。

「ママを助けるから大丈夫だよー」

「心配しなくていいよー」

そう言いながら、私の身体の中に入っていったらしい。

いや、待って。

情報量が多い🤣🤣🤣

しかも、さらに驚いたことがある。

その小人たちの中には、偉い人みたいな存在がいたというのだ。

それが……

小太りの現場監督。

🤣🤣🤣🤣🤣

息子の話では、その小太りの小人が指揮をとっていたらしい。

「おい、お前ここな」

「お前そっち頼む」

「ここやって!」

🤣🤣🤣🤣🤣

ちょっと待ってwww

現場監督までいるの!?

しかも、ちゃんと役割分担してるの!?

何の工事なのよ🤣🤣🤣

……いや、私の左胸の工事なんだけど。

息子の話を聞きながら、私は不思議な気持ちになっていた。

小人なのか。 妖精なのか。 精霊なのか。

息子が見ていた存在が何だったのか、私にはわからない。

ただ、息子はとても具体的に話していた。

そして何より、息子は一貫してこう言っていた。

「絶対に大丈夫だよ」


3.「今はわからなくても、あとでわかるよ」


私は息子に話した。

「癌は癌だからね。場所も数もあるし、しょうがないよ」

息子が話してくれたことはありがたかった。

でも、私は現実に起きていることを受け止めようとしていた。

医師たちの説明も進み、左胸を全摘する手術の準備が進められていった。

それでも息子は言った。

「今はわからなくても、あとでわかるよ」

……なんなのよ、その意味深な言葉🤣

息子の中では、もう何かが決まっていたのだろうか。

少なくとも、息子は自分の話を疑っていなかった。

そして、手術当日を迎えた。


4.手術の数時間前に起きたこと


手術当日の術前検査。

癌細胞の周りにあった、怪しい2ヶ所について状況が変わっていた。

検査で確認すると、部分摘出できる範囲に入っていたという。

医師たちは何度もエコーで確認した。

定規で計測し、何人もの医師が確認に来た。

そして、手術の数時間前。

急遽、全摘ではなく、3ヶ所を部分摘出する術式に変更になった。

あれほど全摘と言われていたのに。

手術当日に、予定が変わったのだ。

私はこの出来事を、今でも忘れられない。

そのあと、息子に伝えた。

すると息子は……

「ほらね〜! だから言ったじゃん、大丈夫だって🤣」

🤣🤣🤣🤣🤣

いや、息子よ。

その自信はどこから来るのよwww

周りの人たちも「そんな奇跡みたいな話があるの?」と言った。

私自身も、何が起きたのか、うまく言葉にできなかった。


5.そして、もうひとつの出来事


実は、これだけではなかった。

手術を受ける前、看護師さんから、乳がんの抗がん剤治療では髪の毛が抜けることも多いので、覚悟しておいたほうがいいと説明されていた。

私はウィッグを買うことを考えた。

美容院で頭のサイズを測る予約をしようと、話も進めていた。

ニット帽も、先に2つ買った。

でも、ウィッグだけは、どうしても踏み切れなかった。

髪の毛まで失うかもしれない。

そう考えるだけで、気持ちは簡単には追いつかなかった。

その後、癌細胞の検査結果が出た。

私の場合は、ホルモン療法で治療できることになった。

結果として、ウィッグも必要なくなった。

もちろん、これは私自身の検査結果に基づく治療方針だ。

でも、当時の私は、胸も髪の毛も失うかもしれないと思いながら、一つひとつ現実を受け止めようとしていた。

それが今。

こうして髪の毛がある。

当たり前だと思っていたものが、当たり前ではなかったと気づく。

髪の毛があることが、こんなにもありがたいことだったんだなって。

今、改めて思う。


6.私は、生かされたなと思った


あのときの私は、確かに「生かされたな」と思った。

手術当日に術式が変更になったこと。

治療方針が決まり、ウィッグが必要なくなったこと。

そして、息子が手術前からずっと「大丈夫」と言い続けていたこと。

医学的に何が起きたのか、その理由を私はここで説明することはできない。

小人たちが実際に何をしていたのかも、私にはわからない。

でも、私にとっては、忘れられない体験になった。

あのとき、どれだけ助けられていたのだろう。

今こうして生きていること。

自分の身体があること。

髪の毛があること。

息子と一緒に笑っていられること。

当たり前だと思っていた日常が、どれほどありがたいものなのか。

この出来事を思い出すたびに、私はそんなことを考える。

そして、これからも、生かされた命を大切に使っていきたいと思う。

……と、ここまで真面目に書いてきたけれど。

やっぱり最後に、どうしても気になることがある。

小太りの現場監督、いったい何者なのよ🤣🤣🤣

「おい、お前ここな」

「お前そっち頼む」

「ここやって!」

いや、指示が具体的すぎるのよ🤣

もし本当に現場監督だったのなら、ぜひ一度、施工報告書を提出していただきたい。

……もちろん、今となっては確かめようもないのだけれど。

私の人生には、ときどき、説明しきれない不思議な出来事がある。

そのすべてに答えを出せるわけではない。

それでも、忘れられない体験がある。

そして、その体験を思い出すたびに、私は思う。

生きているって、ありがたい。

……それにしても。

小太りの現場監督、何者だったんだろう🤣


必要なときに、そっとのれんを。


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